不妊カップルの場合、男性に対しては「精子の通り道」「勃起や射精」「精子をつくる機能」を確認します。その結果、元気な精子の数が少なかったり、精液中に精子が見つからなかったりする男性不妊の原因もあります。
精子の通り道に問題がある 。精子はつくられるのに射精しても排出されない
精巣でつくられた精子は、全長約40㎝にも及ぶ精管を進んで、体の外に射精されま す。
精巣ではきちんと精子がつくられているのに、精子が移動するルートに問題があって、射精した精液中に精子が見当たらない場合は「閉塞性無精子症」と診断されます。
子どものころの鼠径ヘルニア(脱腸)の 手術や精管炎で、精管のどこかが詰まっているケースなどがあります。
陰嚢を切開して精巣組織をよ徇咄し、顕微鏡で精子をさがします(TESE)。
精子が見つかれば顕微授精をします。ふさがった精管を開通させる精路再 建術もありますが、技術がむずかしく、 治療できるクリニックは限られます。
勃起や射精に問題があるタイミング法がストレスになり、EDを招くことも
十分な勃起を維持できないED(勃起不全)に加え、最近は「妻だけED」やタイミング法がプレッシャーになる「タイミングED」も。
まちがったマスターベーションで女性の腔内では満足できず射精に至らないケースや、腔外射精しかできないケース、体外ではなく膀胱側に射精されてしまう「逆行性射精」もあります。
EDにはバイアグラなどの薬があります。
射精障害は治療がむずかしく、人工授精が現実的。カウンセリングを受け、第2子は自然妊娠をめざす方法もあります。
逆行性射精は膀胱から精子を採取し、人工授精や体外受精をします。
元気な精子がつくれない精子の数が少ない、運動率がよくない、奇形精子が多い、など
精子の数が少ない(乏精子症)、精子の運動率が低い(精子無力症)、正常形態の精子が少ない(奇形精子症)を総称して、「OAT症候群」といいます。
精子をつくる造精機能に問題があると考えられますが、原因不明も多いのが現状です。
精巣につながる静脈にこぶができる「精索静脈瘤」や、男性のホルモン分泌に問題がある「ホルモン分泌障害」が原因になっている場合も。 OAT症候群の治療では、精子を洗浄・濃縮して子宮に注入する人工授精を行ないます。
それでも妊娠しない場合は、卵子をとり出してシャーレ内で受精させる体外受精、卵子に直接精子を注入する顕微授精が選択肢に。
精索静脈瘤の場合はコエンザイムQ10やビタミンC・Eなどの抗酸化剤を含むサプリメントによる治療や、手術を行ないます。
ホルモン分泌異常は不足するホルモンを補うホルモン補充療法を行ないます。
精子が見当たらない 精液中に見当たらなくても精子は存在している場合が
精子の通り道に問題がないのに見当たらない場合は、精巣内で精子がつくられていない(または極端に数が少ない)「非閉塞性無精子症」と考えられます。
無精子症が疑われる場合は、精液を全量調べる必要があるため、精密検査にくわしい泌尿器科を受診します。
2回、3回と検査をすると精子が存在するケースも(隠れ精子症)あります。
無精子症と診断されてもあきらめないで。精巣から精子をとり出すMDITESEの対象になります。
これは陰嚢を切開して精巣をとり出し、手術用の顕微鏡を使って精子がいそうな精細管をさがす方法。
精子が見つかれば、採卵した卵子に顕微鏡下で直接注入する顕微授精をします。